川漁師 四万十川 天然うなぎ 動き出しています

大変な世の中になっています。 こんなご時世でずっと発信をお休みしておりましたが、自然の営みはしっかり始まっています。いつまでも閉じていないで、自然の流れと共にそろそろ動き出さなきゃですね。

四万十川 天然うなぎ漁が最盛期に入ってきました。
知人の話によれば、今年はちょっと渋い?というお話ですが、ウナギの気持ちになって仕掛けてやれば例年と変わらずに鰻は動いていまして、この時期にしては太い600gくらいも混じりながら獲れ始めてきました。

水温がぬるむ6月 天然鰻は活性が上がり始め、自分が最も得意とするコロバシ漁のシーズンです。コロバシとは、ウナギ漁に使うウナギ筒の高知県の呼び方ですが、川に転ばしておけば入るというのが語源かと思われますが、定かではありませんが・・・

昔の四万十川の様に川のそこら中に天然鰻が生息していた時代には、名前どうり、川に転ばしておけばウナギが沢山とれたようですが、今はそんなアバウトな仕掛け方ではコロバシ何本かに一匹とか、大変率の悪い漁になってしまいます。

川幅数百メートルの四万十川でも、ウナギの好む場所は狭いもんです。 その場所はその日の流れや水量によってもガラッと変わり、読み切るのが難しいのです。川が深い場合、河面の流れと底の流れは必ずしも一致しません。 うなぎの好む微妙な流れを形成するファクターが幾つかあり、詳しくは長くなりますので割愛しますが仕掛ける場所を読み切るのはちょっと難しいもんなんですよ。

読みが当たれば仕掛けたコロバシ全部に、しかも一つのコロバシに何匹も入り込むこともありますから、してやったり! と心躍る瞬間でこの仕事の一番の魅力。仕掛けの蓋を開けると溢れんばかりの天然ウナギ達が凄い勢いでトコロテン??みたいににゅるにゅるウワッと飛び出し来て、本当に最高の瞬間。船の上で、はたまた険しい谷底で、一人でちょっと声を上げちゃったりします。
また、大きいものが入っていると、コロバシを上げたときに「ボトッと重たい音が響きます。そんなときも興奮しますし、大きいものがびっしり、ギシ詰めで入っていたりすると、コロバシから水もろくに出てきません。
ここの所の漁はほぼ全弾命中で、そうなると(とれた~ ではなく、獲った!と言える漁になり、仕掛けの工夫から数えきれない試行錯誤をめげずにやってきた成果に感じられ、そんな時は仕事としての達成感が違いますね。

しかしそこは漁。自然相手の事には100%など絶対にありません。どんなに努力しても報われないときだって沢山あります。しかし、遊びでやっているのならともかく、これで家族を養っていかなきゃならないとなると、報われない漁では済まされません。 どんな悪条件でも獲ってこないとならない。 その為には体力も相当使いますし、精神的にもめげずにいないといけない。

今は亡き、お世話になった物凄い腕利きの漁師、大好きな人でしたが、彼が言った一言。「漁師は努力よ」 この言葉をいつでも胸において頑張っていかなければなりません。 

川漁師で食っていくというのは本当に並大抵な事ではありません。例年どんどん状況の悪くなるフィールドなのですから、魚も漁場も減っていく一方です。けれどこの道がどうしようにもなく好きなので、やれることは頑張って、四万十川の水産物を心待ちにしてくれているお客さんの為に、今から秋までは 天然うなぎ この素晴らしい 天然鰻を追っての川漁師であります。

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