鰻の調理の仕方は西と東でだいぶ違います。関東出身なので、今までは関東の蒸した鰻が一番だと信じて疑いませんでした。
関西の鰻は蒸しません。何度も何度も表裏とかえしながら焼きで脂を落とし、その脂で表面が揚がるようにサクっと焼き上げます。
あるとき、岐阜は郡上八幡にある鰻屋さん、吉田屋、にて焼きで仕上げた鰻を食べた時にびっくりするくらい美味しくて、それ以来、関西流の焼きで仕上げた鰻のファンになってしまいました。
私の地元であった埼玉県は鰻ではなかなか有名で、浦和の鰻、川越の鰻、ほとんどのお店を食べ歩いたものです。
お店によってたれが違い、焼きの、蒸し加減の違いもあります。どれもそれぞれ美味しいですが、中でも珠玉の逸品に仕上げてくるお店も数件あって、食べるたびにうっとりしたものです。
さて、ここ、四万十市は鰻は日本でも最高級の天然うなぎがとれます。しかし、美味しい匠の技が光るうなぎ屋さんは・・・・・
まず、市場に漁師が鰻を出荷する際、漁師自身が捌いて出荷します。これが、いわゆるうなぎ職人の方々には信じられない!ということです。
鰻を割くのも技がいります。これでタレの乗りが変わると職人さんは言います。串打ち3年、割き8年、焼き一生っていいます。毎日毎日すごい数のうなぎを割いている職人さんでも8年かかるというのです。そこをいくら経験長いといっても畑違いの漁師がやっているのですから、そこからまずは違います。
次に鰻を氷で仮死状態にしてから捌きます。これも職人さんから言わせたらいけない事なんだそうです。しかし、天然うなぎは物凄い力で暴れますので、素人では仮死状態にしないとなかなかうまく割けません。そして、料理屋さんが、この割いて出荷されているうなぎを競り落として、料理するのです。
これではうなぎの真骨頂は味わえません。と、私の取引先のうなぎ職人さんは言っておられました。
ということで、美味しいうなぎを食べるには高知市まで100キロ以上走って行くことになります。
なかでも、おすすめはかいだ屋さん。少しタレは甘めですが、表面がカリっ。さくっ。中はほっくり。米は地元のお米。炊き加減は個人的にはもう少し固くてもいい。
食感がサクサクしてるのでトロっと柔らかく蒸した鰻より食べごたえがあり、脂で揚げたような表面にじっくり染み渡った甘めのタレが噛むたびにジュワっとあふれて、たまらない。
岐阜の吉田屋さんで食べた鰻を彷彿させる美味しさ。
空腹時にお腹いっぱい鰻を美味しく食べた!って心より感じる美味しい鰻です。
高知空港のすぐそばににあるので、観光でいらした際には是非試してみてはいかがでしょうか?ただし、お昼時には凄く混んでいて、うなぎが無くなり次第閉店です。
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