四万十川をより良く復活させるには。

四万十川は、長さ約200kmの懐の深い大河です。 沢山の支流からなり、豊富な水を蓄えています。 しかし、それも昔から見たら随分と減ったようです。私はこちらに来てまだ6年なので、昔の話は大先輩たちから聞いた話ばかりですが、今からは想像もできないほどの豊かな川だったようです。他県のそこいらの川に比べたら、まだまだ素晴らしい川ですが、川の中の生態系が近年、すごい勢いで変わっていってます。
私がいっつも言う、その原因の最たるものは、周辺の山や砂防堰堤、河川改修により発生するおびただしい量の土砂、です。
これ、ほとんどすべて、行政の舵取りに問題があるのです。
山林伐採、荒れ果てた、過去の無秩序な植林によって、全くお金にならない山を伐採し、バイオマス、合板などに使用する経済活動は、これは大いに推奨できることだと思います。
また、どうしようもない手入れもされていない植林を伐採しておけば、後に雑木が生えて良い山に戻ることでしょう。
しかし、これを川の斜面でやってしまうと、丸裸になった植林の脆い地表が、高知の大雨に晒されて、一雨ごとにおびただしい土砂を川に流してしまう。急斜面であればあるほど、その地表に雑木が生える前に雨が降り、長い間土砂生産マシーンへと化してしまうのです。また、これに伴う伐採した木々を搬出する作業道を無秩序につけまくる。どうしてそうなるかというと、そこには道路1メーターつけるごとに補助金が、国からおりているようです。補助金投入により、どんどん作業道がついて、それが土砂の流れる川と化して、どんどん川を砂まみれにしてしまうのです。
これも、行政の舵取りが、ほんの少し違うだけで防げる事柄です。 川の斜面の伐採の仕方のガイドラインを早急に作り、川の斜面のみ、土砂が発生しないような、昔ながらのプロの林業がやってきたような方法をとればいいのです。
砂防堰堤も、こんなところに必要ないじゃないか、というところに、理由をこじつけてどんどん作っています。砂防堰堤、これらは砂防と書いてますが、砂を最終的には流しまくる堰堤です。大岩、大きめの石、全部堰堤で止めてしまい、細かい砂ばかりその堰堤の上を抜けて川に流れていきます。大きい石が、大雨のたびにごろごろ、ごろごろ、川底を耕して川をきれいにしていくのですが、土砂だけではそうはなりません。
これも行政が予算消化のためにいらないことするからこんなことになるわけですが、地方は公共事業がないと雇用が保てません。ならば、これからは、今まで作ってきたものを壊して、川や、生物により良い構築物に作り替える、という新たな発想で公共事業をやったらいいのです。川の国高知が、日本を先駆けてそんなプロジェクトをやったら名声が一気に集まるでしょう。川に携わる専門家でプロジェクトチームを作れば良い。ただ、現場に詳しい者を入れないと、また、いつものように、机上の論でダメなことやってしまうのが行政ですが・・・
浜野安宏先生を迎えて、今回、いろいろなことを話しました。かつて先生も長良川河口堰の時に行政と戦いましたが、どうにもならなかった。行政が率先して変えていくことはそうあることではない、とおっしゃっていました。
民間企業のように、努力しないでも生き残れる彼らがわざわざ難しい問題に挑まないのもわかります。ですから、彼らと真っ向勝負するだけでなく、彼らが追従してこないとならない環境を作り出してやる、というのが効果的だ、との先生のアドバイスでした。これには考えさせられました。なるほど、それしかない。そう思いました。もちろん、声を上げて問題点を行政に伝えることは重要課題としてやっていきたい。彼らは何が問題なのかすら知らないのですから。
それと同時に行政がついてこなければならないような環境を至急作る必要があります。いろいろ、できること考えていきます。川に愛情がある人たちで、まずは行動していきたいと考えています。

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