天然ウナギの生態に変化がみられる昨今、今までの常識的なウナギの営みが実は変わってきている可能性があります。
まずはシラスウナギ。 常識的には冬の寒い時期に遥か彼方遠くの海から黒潮に乗って川に向かってやってきます。
しかし、近年梅雨時期にもかなりの数のシラスウナギが遡上をしている模様です。
実際 秋口に、おそらくまだ川に入って数か月程度の小さな小さなうなぎが石ころの隙間からピュッと走るのを見ることもあり、不思議に思っていたところです。
そして数日前、本来なら秋になってから見られるようになる下りウナギがとれました。こんな時期にとれたのは初めての事です。
下りウナギとは産卵に海に降りる為に容姿がいぶし銀に変化し、それを銀化と呼びますが、明らかに銀化したそれでありました。
しかも鰻のサイズは産卵するには程遠い親指程の太さ。大きいものは手首の様に太くなりますが、オスは一説には小さめであると聞いたこともありますが・・・
捌いてみたら、身質は明らかに他の今の時期の天然ウナギとは違い、やはり下りウナギのそれでありました。
白っぽい脂をたたえた、しかも小さいのに脂が凄く、炭火でバッチバチにはぜる。味も勿論最高でした。
ウナギ漁を生業にしていると色々な事に遭遇します。
やはり6月に、卵らしきのを持ったウナギを二回捕獲していますし、時季外れのウナギの生態に出会うこともあるわけです。
学者、専門家が一生懸命に研究しても、今なお 解明できない謎がある。大変ミステリアスなお魚。鰻。
もう、どうしようもなくウナギが魅力的でたまらない自分は、ウナギに精通するためならどんなに大変な漁であっても何の苦労も感じません。
本当に魅力的な魚です。獲り方も、食べ方も、その生態も。
コメント