もう 今から二か月も前の事を今になってアップするのは本当に いまさら なのですが、この春先は私自身本当にバタバタしておりまして、ゆっくりパソコンに向き合う時間が全くと言っていいほどとれませんでした・・・
実際、この放送も私自身リアルタイムでは観ることすら出来ず、随分後になってから録画分を観ることが出来た次第でした。
今回放送の高地放送さんとは、もう長い付き合いになりますが、今までにも沢山の四万十川についての発信を続けてくれています。特に四万十川の抱える問題点については継続的に世に問いかけてくれております。
私の川漁師の師匠の時代からずっと長きに渡って四万十川の漁について関心を持ってくださり、その変わりゆく姿を世に知らせてくれています。
もちろんその他の高知県の放送局の方々にもいろいろお世話になってきました。
実はここのところ、私自身はもう高知県に向けて発信することへの限界を感じ始めていました。このまま同じようにやっても何も変わらないんじゃないか・・・近年そう思うようになりつつありました。
しかし、番組のディレクターさんから「高知県に向けてもまだまだ浸透していないところが多々ありますよ」と言われ、冷静に考えてみました。
確かに、、四万十川は日本で最大のすじ青のりの産地であり、近年全く採れてないけれど、採れていないことを知らない人もまだまだおりますし、すじ青のりと青さのりの違いを知らない高知の人々がほとんど大多数で、知っている人の方が少ないですし・・・川エビが本当に減っている原因を考える機会だって一般の人にはごくごく少ないわけですし・・・土地の名産、名勝地、いろんなことが灯台下暗しな部分がまだまだあるな、と気付きました。
四万十川の漁法の紹介だとか、四万十川の素晴らしい部分の紹介をするのは、この言葉が適切かどうかわかりませんが、楽?なところであります。
けれども四万十川の問題点について発言するということは、結構勇気のいる事でもあります。 敵は沢山出来ますし、そうなると あることないこと いろんなことが言われてしまいます。
名誉を棄損されたときにはきちんと対応できるよう、準備をしていかなければならないほど、気を遣うのです。
そこまでしてでも、同じように四万十川を何とかしたいと思っているメディアさんには覚悟を決めてご協力さてもらってきましたね。
漁師とか、釣りとか、猟とか、この分野でメディアにて発言するということは本当に難しい分野だと思います。
私は若かりし日々から釣りの雑誌、狩猟の雑誌等々、お願いされ記事を書いてきましたのでよくわかっています。
近頃は疲れてもう四万十川について発言するのはやめてしまおう。黙ろう。とさえ思っていました。
しかし、現在、まだ四万十川は私の職場。 その職場に対しては発言する権利を持っていると思います。ならばお願いされれば真摯に向き合わないといけないと、今回、思いなおしました。
今現状を直ぐに変わる、変えるということは難しい事だと思います。私のような川漁師が、一人で、点で、発信しても難しい。
そんな私が今自分が全力で向き合えること、それは次の世代に伝える事、だと思っています。
地元の小学校をはじめ、四万十川のこれからの事を若い世代に沢山伝えていきたい。昨年の大変思い出深い事は、愛知県の南山大学にて講演させてもらったことでしたね。
コロナ渦の中、ウェブ上での講義でしたが、先生が大変素敵な方で、生徒さん達も素敵な方々ばかり。予定は確か2時間ほどでしたが、気が付けば5時間近くお話が続きましたね。
若い彼らがキラキラして、まぶしかったです。
若い世代のみならず、環境保全に関心のある団体にも何度も講演させていただきました。
とにかく、次の世代に、世界の先進国が行っている環境保全を例にお話しさせてもらい、いずれ彼らの世代には日本も完全な先進国 環境に対しても先進国になってくるはずですから、その時の為に、四万十川を未来永劫最後の清流として、地元の方なら誇りをもって、大きな意味で「日本の財産 として守っていただけるような人が、私がお話をさせてもらった中から一人でも出てほしいし守ってほしい。
今回の土佐人力は、そんな私の想いを伝えてくださった番組でありました。
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