冬の厳しいスジアオノリ漁が終わると、季節が急に春めいてきます。ウグイスが鳴く練習を始め、綺麗にホーホケキョって鳴けるようになる頃には目当ての竹藪に筍を探しに出かけるのです。
一見すると、筍などほとんど見当たらない落ち葉に覆われた地面を、それこそ穴が開くほど、ジィ~っと目を見張り、頭は左右に、目はさらに斜面を上下左右に、腰をかがめかがめ探します。
まだ早い時期には筍はそうそう伸びてはいません。地面から出ているのは、先っちょの、私たちは(うらさき)などと呼びますが、黄色い数センチの葉っぱがドナルドダックの唇みたいに落ち葉をほんの少しだけ盛り上げて出ています。
ということで、筍の本体、そのぶっといボディーは全部地中にあるのです。この状態の筍が見つけるのは一番難しいですが、食べては一番美味しいのです。なにしろアクがないのです。
けれど獲物は全部地面の中。大物ほど掘るのに苦労します。なにしろそこは蔦や雑草や雑木がびっしりな竹藪、たいてい、その大物の周りには他の木の根っこなどがびっしり!クワで雑木や根っこを叩き切りながら一心不乱に堀り進むのです。
最後の仕上げで筍の付け根に一撃でクワを打ち込み、綺麗に掘れたときはなかなか嬉しいもんですよ。 ちなみに写真にもありますが、地中の中の筍と、地上に顔を出した筍の色の違い。おわかりでしょうか??
さて、堀り終えたら間を置かずに早速車を飛ばして四万十川へ。川の水を汲んで糠をぶち込み筍を次から次に鍋に沈めます。川原に無数に転がっている流木を薪にしてガンガン火をくべて強力な火力でグラグラ煮ていきます。
家庭のガスレンジと違って物凄い火力でボンボン沸騰させて煮ていくので、とっても柔らかく仕上がるんですよ。
こんな贅沢な四万十の筍!これは逸品です!
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