梅雨明けはまだなのですが、およそ梅雨とは縁遠い、毎日熱中症対策を講じないと動けない程の暑さが数日続きました。川は日に日に水量が減り、水温もグングン上昇していきます。こうなったらテナガエビ漁の最盛期に突入です。
川エビは、水温の低い時期には餌を求めて広範囲に動きません。私たちは餌につかない、という表現を使いますが、水量もある、水温も低い、では、なかなかエビは仕掛けに入ってきません。
本来梅雨時期は水量があるのでうなぎ漁に一生懸命なのですが、この状況ではエビもやらないといけないし、二刀流はとっても身体が疲れます・・・ほんとに身体が二つ欲しい・・・
毎年、良いテナガエビが生息しているエリアを何箇所か下見して歩いてきましたが、どこの場所も共通して言えるのは、ゴロゴロ見えていた岩や、沢山川底に転がっていた石が、ことごとく砂に飲み込まれてしまっていて、大きな淵などは、川底が全部砂だけになってしまっているところも・・・この状況は、年々、顕著に現れていて、すごいスピードで悪化しているんです。なぜ砂が良くないかって? この土砂がゴロゴロ転がっている石の隙間や大岩のエグレなどをうめてしまい、水中の生物の 住処 を急速に奪っているのです。ウナギが毎年決まって篭る良い岩穴も次から次に埋められてしまっています。なぜこんなに急速に土砂が流出しているのか、考えられる理由は、支流や谷に、無闇に砂防堰堤を造りすぎている。林業の伐採時に、作業道をつけるとメーターにつきいくらかの補助金がでる仕組みになっていて、これもそこらじゅう、川筋の谷の斜面を一面伐採して作業道をつける、そこから大雨のたびに地面が削られ大量の土砂が流入する。公共事業が川をダメにするのは誰でも知っていることですが、林業のあり方においても川に深刻なダメージを与えてしまうのです。そうすると、川の中の生物たちは、どんどん、だまって消えていってしまうのです。
そりゃあそうでしょう、自分の身に置き換えてみてください。住むとこがなくて生きていけますか?繁栄できますか?できるわけないですよね。
四万十川には景観条例という、景観に関する条例がありますが、その支流たちには適用されませんし、支流はものすごい勢いで破壊されていってます。四万十川で一番綺麗な支流、と云われている 黒尊川 にも、ここ近年、砂防堰堤を造りまくっているようで、たった二、三年で急速に砂だらけの川に変貌しつつあります。
四万十川本流がどんどん悪くなるのも、これだけ支流を大事にしなかったら当たり前だと思わないんでしょうか・・・行政は・・・だって四万十川の語源っていうのは4万10本の支流が流れ込む川だからだって聞いたことがあります。
もう川をいじるのはヤメにしませんか?川筋の山の伐採も、川へのインパクトをもっと考えませんか?高知県は川の国、これを守って欲しいですよ。
そうすれば、川エビだって、絶滅危惧種に指定されてしまった鰻だって、急速に増える環境はあるのですから。
今回、テナガエビ漁で、本当に危機感を抱きました。確かにエビは採れましたが、毎年毎年、どんどん努力しないと採れなくなっていってるこの事実。住処が減ることによる生息数の減少 なんとか伝えたい。そして行政は、いろんな 課 があるけれど、みんなで考えて、知恵を出し合って、川のために努力していってほしい。なぜなら、四万十、の名前にすがっているそれぞれの業界の利益である、四万十 という名前の根源は、ほかならぬ四万十川なのですから・・・
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